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    September 30, 2017

    (写真:『ソノ空虚ノ瞬間ニ』(8mm, 2014)より長沼の風景)

    幼年期、祖母に連れられて生まれて初めて見た映画、を思い浮かべてみる。

    当時、まだ「私」の小さな町にも、長沼劇場という映画館がひとつだけあった。

    夜のふくらみでできたような、暗闇の大きな箱のなかに、

    別世界が画面いっぱいに映写されている。

    影のような三角山に、長い銃を持った兵隊たちが、

    次々と旗を立てては倒れていく場面を覚えている。

    今でも思い出すと、何とも悲しい。

    頂上に旗を立てたと思ったら、射たれて倒れ、

    次の兵士がまた立てて倒れ、が何度も繰り返された。

    その光景は、子供心に、積ん...

    September 23, 2017

    (写真:リヨン 夜のローヌ川(2015年12月))

    三度目の正直という云い草がある。

    前近代的だといわれながらも、相変わらず8ミリフィルムで撮っている。

    青いセンチメンタリズムかも知れぬ。

    フィルムの死が先か、「私」の死が先か、という状況にある。

    ここ、ドイツにおいてもフィルムの現像所はベルリンに一カ所あるだけ。

    しかし、昨年の秋にはカラー現像がなくなり、紹介されたオランダでは、

    現像から発送までたったひとりの現像所である。

    フィルム代も莫迦値だ。

    もう終わりだと諦めながらも、とりあえずの情熱はどこか。

    そこには「あきらめの意地」があるだけか。

    嗚呼、...

    September 22, 2017

    (写真:『アンモナイトのささやきを聞いた』(1992)スチル)

    1989年12月31日で、今はもう無い「タケヤ工芸」という看板屋を辞め、

    1990年1月1日から映画台本を書き始めた。

    古本屋に勤めていた岡倉秀明の夢がもとになっている。

    彼には妹なんかいないのに、森のなかの巨大なアンモナイトの薄明かりのなかで眠っている。

    彼は、夢を見るたびにその眠っている妹を訪ねていくという話だった。

    『アウローラの焔』というタイトルで書き進めたのだが、

    悩んだり迷ったりすると頑固になるか、他者の影響を受けすぎるかで、

    まわりといろいろ話しをしていくうちに、どんど...