青の憂鬱


なつかしき

地球はいづこ

いまははや

ふせど仰げどあかりもわかず (賢治)

実は4月3日から18日迄、ストックホルムでマリア・ホルマー・ダールグレンさんと、タイポグラフィの二人展【文字の二重奏】を開催することになっていた。デザイナーのマリアさんの作品は多く商品化され、スーベニールのお店でよく見かけるし、美術館にも収蔵されている。私の文字を面白がってくれ、数年前から一緒に展覧会をしようと誘われていた。

昨年11月の開催が決まっていたが、私が9月に体調を壊し、延期させてもらっていた。半年が過ぎても、体のほうは快方に至っていない。うつむいたり、集中すると、すぐに立ちくらみの症状が出て困ったものだと、日々を過ごしている。

昨年暮れから、ギャラリーの都合もあり、4月開催予定で進められていた。無理せず旧作を、との話もあったけれど、やるとなったら矢張り新作だろうと思った。

昨年、宮沢賢治を題材に映画シナリオを書き、二稿目を終えたところでの体調問題(重度の眩暈)と展覧会延期だった。そこで、何となく浮かんだのが、賢治の詩や俳句の絵文字化だった。賢治の作品に矢鱈と青の色が出てくるので、パラパラ本をめくり、好みのところを抜き書きしたものから選び込んだ。それらの句や詩の断片を夜の青色に塗ったキャンバスに書いて並べてみようと思った。

体調の問題もあり、ひと文字ふた文字書いては休み、と、日々是絵文字で、やっとあと一枚を残したところで、欧州コロナ危機。マクロン首相の声明の後、フランス中のカフェ、レストランはもとより、薬局と食品店を除いて全店舗の営業停止、空港閉鎖など、一刻一刻状況が切迫し、全土ロックダウンのなか、半ば脱出劇のようにパリから日本へ戻った。

2週間の自主隔離を終えたところだが、はてな、「これが現実だ」といわんばかりに、いま地球は震えている。

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