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山田勇男

ヤマヴィカ映画史20


(写真:シャルルヴィル夜景(2015年12月))

2015年12月24日。

思い立って、バスと電車を乗り継ぎ、ムーズ川河畔の町、

ランボオの故郷シャルルヴィルを訪ねた。

地図では随分と近くなのに、交通手段が少ない。

ルクセンブルクの駅から中型タクシーのようなバスに乗った。

客はたったのふたり。

ランボオならきっと、ポケットにビスケットを入れ歩き続けたに違いない。

建物のない田舎に駅がぽつん。

電車乗り換え、また電車。

一日がかりでやっと夕方、小雨降るシャルルヴィルの駅に降りた。

近くのホテルに宿をとり、窓を開けると、

駅前広場に雨に濡れたランボオ記念碑が夕闇に見えた。

小さな町だった。

さっそく、生家やムーズ川に架かる古い水車小屋のランボオミュージアムの建物まで、

クリスマス・イヴの夜を歩いた。

闇夜に五角形の星型のイルミネーションが飾られている。

ぼんやり眺めながら、次回作「イリュミナシオン」の映画を思い巡らす。

これからどんな映画を撮ることになるのだろう。

人気のない街路に連なる星のひかり、映画のフィルムのように連なっているイリュミナシオン。

ひかり、ヒカリ、光、Lumière。

リュミエール兄弟に届くかな。

ランボオのイリュミナシオンに会えるかな。

星に願い、を、か。

★(続)


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